ちーちゃん 押見修造 内藤瑛亮 「毒娘」製作委員会
虫の死骸が好きなちーちゃん――押見修造が描く映画『毒娘』前日譚
さすが押見修造。その世界に入り込んだ感覚になる。前回の血の轍は、読んでいて正直辛かった。今回もそんな予感がするが、原作?が付いてるようで、新たな押見修造ワールドを見れそうだ。
ネタバレは避け、作者の思想について語りたい。
押見修造の世界は、バタイユの著書エロティシズムに通じる。死や破滅と性的興奮はリンクする。彼は一貫してそれを描いている。暗くて救いようのない話なのに、それが劣情を発動させる。ではなぜ、愛ではなく、死や破滅がそうさせるのか?そこをさらに深堀して物語として提示されたなら、名作になるに違いない。僕なりの答えはあるけれど。
兎にも角にも、本当に描きたいのは、苦悩や閉塞感ではない。性的興奮の正体だ。